◆◇南三陸町防災対策庁舎◆◇
先月より、宮城県が2030年まで管理することになった南三陸町防災対策庁舎。
その庁舎の建物の劣化状況の調査が始まりました。どのような補修・塗装が必要かを検討し、来年度に補修工事を実施する予定だそうです。
下から見上げて、高さ約12メートルの建物を超える津波が押し寄せたことを想像すると、津波の恐ろしさを感じるとともに、本当にこの高さまで?と、信じがたい気持ちになります。
県有化が決まるまでの道のりはまさに紆余曲折でした。
一度は維持費用の問題などから解体が決定したものの、その後、政府より各自治体1カ所に限り保存費用の一部を負担する方針が発表されたため、県が設置した震災遺構有識者会議で検討対象となりました。
その結果、町民の間で保存への賛否両論が分かれる中、1年にわたる議論の上、保存の方向性が決まりました。
かさ上げ工事のため、背後には土砂が高さ約20メートルにまで積み上げられていますが、こちらの土は仮置きされており、防災庁舎の周辺はかさ上げせず、復興祈念公園として整備されていく予定です。
東日本大震災の発生からまもなく5年。被災建造物はどんどん取り壊されていき、時が経つにつれて震災の記憶は薄れていきます。東日本大震災で43人の尊い命が犠牲となった南三陸町防災対策庁舎は、今後ますます、多くの人達に震災の教訓を伝え続ける、大きな役割を担っていくのかもしれません。
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